グリーンランドの氷に「宝」は埋まっているのだろうか。北極圏にあるこの島に眠る豊富な資源を利用しようと起業家が押し寄せている。氷河の融解水で作ったウオッカや、グリーンランドの氷で冷やしたカクテルに高い値段を払う消費者は少なくないとの期待を抱く。グリーンランドの氷はフィヨルドに落ちる前に10万年間氷河で圧縮されていたため、他の氷よりも清浄で密度が高いというのが売り込みの際に使われる説明だ。ただ、これに科学的根拠があるかどうかは議論の対象になっている。また、氷の塊を北極圏からドバイのナイトクラブまで運ぶことに伴う環境負荷を巡っても賛否がある。グリーンランドはビジネスに意欲的だ。現地の1億3000万ドル(約190億円)規模の事業開発ファンド、ナリック・ベンチャーズのトーマス・「ティット」・モーゲンセン最高経営責任者(CEO)は、グリーンランドには氷が豊富にあると強調する。デンマークの一部であるグリーンランドの自治政府は過去5年間で、氷河の融解水や氷の採取に取り組む6社に対して13件のライセンスを承認した。
グリーンランドの氷「キューブ6個で100ドル」の訳
起業家らはグリーンランドの氷を使ったカクテルの需要を見込む
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