中国政府は、合成麻薬フェンタニルの米国流入に同国が役割を果たしているとする米トランプ政権の不満に対し、対応方法を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。両国関係改善の糸口になり、通商交渉の開始につながる可能性がある。関係者によると、中国の王小洪公安相はこのところ、フェンタニルの製造に使われる化学物質について、トランプ政権が中国にどのような対応を希望しているのかを問い合わせている。中国企業が生産したフェンタニル原料の化学物質(前駆体)がインターネット上で販売されている。これをメキシコなどの犯罪組織が購入してフェンタニルを製造し、米国に密輸している。中国政府は王氏を米国に派遣してトランプ政権高官と会談させるか、第三国で米当局者と会談させる案を検討しているものの、実現は流動的だと関係者は語った。また中国政府は、ドナルド・トランプ大統領が貿易を巡り同国への強硬姿勢を和らげることを望んでいるという。
中国がフェンタニル対策検討 対米通商協議の糸口に
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