マレーシア政府は、同国の政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)に絡んだ汚職事件で起訴され、有罪を認めた元ゴールドマン・サックス・グループのティム・ライスナー被告の身柄引き渡しを求めている。10年以上前に発生した汚職事件がまだ終わっていないことを示している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した書類や事情に詳しい複数の関係者の話によると、マレーシア政府は昨年8月に米司法省に対し、ライスナー被告の身柄引き渡しを要請した。また、別の文書によると、国際刑事警察機構(ICPO=インターポール)は昨年11月に同被告の国際逮捕手配書(赤手配書)を発行したという。こうした展開は、マレーシア政府が政府系投資会社1MDBの資金を不正に使ったとして訴えられた人々に関する情報と正義を求め続けていることを示している。米検察当局によると、1MDBから流用された資金は45億ドル超に及ぶ。この汚職事件により、当時のマレーシア首相は失脚し、事件の中心人物とされる実業家だったジョー・ロウ氏は世界的な捜査の対象となった。