ドナルド・トランプ米大統領は英国との貿易協定に合意したものの、真の試練はさらに多くの国と合意を結ぶことにある。トランプ氏は8日、貿易協定の枠組みを巡り英国と合意に達したと発表。消費者が打撃を受ける状況を避けるため、さらに多くの協定を結ぶ必要に迫られる中で、政府には弾みがついた形となった。だが他国政府の当局者らによれば、英国との協定は範囲が限定的で、英国特有の問題も含んでいるため、他国が従うべき明確な道筋を示すものではない。また他国との協定が、これほど容易にまとまるともみられていない。米国は英国とのモノの取引で貿易黒字を計上していることもあり、合意のハードルはもともと低く、中国とは状況が異なる。国勢調査局によれば、中国は2024年、米国にとって3番目に大きな貿易相手国だった。米国は現在、中国からの輸入品に145%の関税を課している。