欧州では極右ポピュリストが保守政党の優位を脅かし、戦後最大規模のうねりとなって政界再編を迫っている。中道右派は生き残りをかけた模索が続く。ドイツでは、2013年に結成された極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて一部の世論調査で支持率トップとなり、これまで20年近く政治を動かしてきた中道右派が守勢に立たされている。英国では保守党が昨年の総選挙で労働党に敗れ、いまや右派勢力にも抜かれかねない状況となっている。中道右派政党は欧州の多くの地域で政権を維持しているものの、急進新興勢力に支持と人気を奪われている。背景には、移民増加や経済成長鈍化に対する不満がある。フランスでは、極右政党「国民連合」が単独では国民議会(下院)で第1党となり、中道右派の共和党グループは577議席中48議席にとどまった。イタリアでは22年、ジョルジャ・メロー二氏が自身のポピュリスト政党「イタリアの同胞」の支持を受けて首相に就いた。
欧州の中道右派、ポピュリズムを阻めるか
ドイツと英国では、数十年にわたり与党を担ってきた政党が極右に押されている
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