ドナルド・トランプ米大統領が4日間にわたる中東歴訪で、ペルシャ湾岸の君主国を重視する姿勢を示した。米国は数十年にわたり、イスラエルとの関係を同地域の中心に据えてきたものの、両国関係は少なくとも一時的には弱まった形となる。トランプ氏はサウジアラビア、カタール、そしてアラブ首長国連邦(UAE)の指導者らと交流を深める一方で、ここ数カ月で距離を置くようになったイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と今回は会わなかった。またトランプ政権は同氏が中東入りする前から、ガザで拘束されている最後の米国人人質の解放を巡り、イスラム組織ハマスと一方的に合意。イスラエルは蚊帳の外に置かれ、同国にとって予想外の展開となった。これらを背景に、米イスラエルは中東最大の火種を巡り、足踏みが完全にはそろっていないことが浮き彫りとなっている。