ジュネーブで成立した米中の貿易休戦は、両国が新たな冷戦に向かっているという事実を変えるものではない。つり上げられた高い関税を一時停止するという米中合意により、世界の2大経済大国間の物流が再開された。しかしその裏で、両国は相手に対する防衛強化の取り組みを続けており、すでに進行している経済・外交面の分断がさらに深まっている。中国では先週、最も注目すべき政治イベントの一つが「国内循環」の促進に焦点を当てたハイレベル会合だった。国内循環とは、中国共産党が国内生産と国内市場への依存を強める方向へのシフトを意味して使う言葉だ。これがなぜ重要かと言えば、中国はこれまで国内循環を「国際循環」(要するに外国市場との関わり)と併せて言及し、対外開放へのコミットメント(積極的な関与)に対する疑念を払拭しようとすることが多かったからだ。