
突然の心停止の
最大のリスクは生活習慣
生活習慣や環境関連のリスク因子をコントロールすることで、突然の心停止(SCA)の約3分の2を予防できる可能性があるという研究結果が、「Canadian Journal of Cardiology」に4月28日掲載された。復旦大学(中国)のRenjie Chen氏らの研究によるもの。論文の上席著者である同氏は、「リスク因子に対処することで、多くのSCAを予防し得るという結論に驚いている」と語っている。
SCAは致死率が高く、かつ予測が困難なため、世界的に主要な死亡原因の一つとなっている。SCAのリスク因子に関するこれまでの研究の多くは仮説主導型という研究手法で行われていて、この手法では事前に定義された仮説に含まれていない因子の発見が難しい。
これを背景にChen氏らは、英国で行われている住民対象大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータを利用し、エクスポソームワイド関連研究(EWAS)やメンデルランダム化(MR)解析という、仮説に依存せずリスク因子を探索する手法による研究を行った。
UKバイオバンク参加者50万2094人を平均13.8年追跡したところ、3147人がSCAを発症していた。食事・運動・喫煙・飲酒習慣、抑うつや孤独、環境汚染への曝露、雇用状況・暮らし向き、体重・血圧など、修正可能な125の潜在的リスク因子を、SCA発症者と非発症者で比較したところ、SCAリスクと関連の強い56の因子が浮かび上がった。