「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して著者である、びーやま氏への特別インタビューをお届けします。

高校生Photo: Adobe Stock

奨学金を借りてまで大学に行くべきでしょうか?

――最近、「奨学金」が大きなテーマになっています。その背景にはどういったことがあるのでしょうか。

びーやま氏(以下:びーやま):奨学金を借りて大学に進学したはいいものの、その後の返済で生活が苦しくなってしまうというのが大きな話題となっていますよね。

 優秀な学生で、いい会社に勤めたけど、奨学金の返済で20~30代のうちはいっぱいいっぱいになってしまうと。

 これに関しては学生が完全に悪いというわけではなく制度設計をはじめとするところにも問題があるような気がするのでむずかしいところです。

――そういったケースを聞くと奨学金を借りてまで大学進学することに少し恐怖心を抱いてしまいますね。

びーやま:それはそうですよね。尻込んでしまうというのはあると思います。しかも志望校が私立大学だった場合は、特に不安は大きんじゃないかなと思います。

――奨学金を借りるくらいなら進学しないほうがいいのでしょうか。

びーやま:一概にそうとは言い切れません。奨学金も上手に使うことができれば非常に優れた制度です。ただ、借りる側の力量がかなり問われるのも事実です。

 加えて、進学した先が名門大学であれば、生涯の収入は大きくなる傾向がありますから、奨学金以上のメリットを人生全体で享受できますから悪いことではありません。

――なるほど。ただそうなると、就職は前提となるわけですよね。

びーやま:そうなりますね。

 大学院に進んで研究を続ける場合はさらに奨学金の額も上がっていきますから、学部までが限界という人はいると思います。

 そういった事情で研究者を志す人が就職せざるを得ないのは日本全体にとっても損失は大きい気はします。