25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑！』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑！2026』の出版を記念して、内容の一部を抜粋、再編集してお届けする。（本記事は2025年1月に執筆された『大学図鑑！2026』および2016年1月に執筆された『大学図鑑！2017』をもとにしています）

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GMARCHに迫る大学の序列は10年間でどう変わった？

　10年の月日が経ったとしても大学間の序列が大きく変わることはほとんどない。しかし、GMARCHに迫るグループに関しては、この10年で大きな動きがあったと言える。

　まず、10年前までは日東駒専以上、GMARCH以下のポジションにいた芝浦工業大がGMARCHクラスにランクアップしたと言える。理系人気の上昇の影響もあるが、しっかりと時代を味方にした芝浦工業大の戦略は見事である。

　もともと、GMARCHはどの大学も文系学部がメインで、理系の学生からすれば東京理科大の下でレベルを維持できる選択肢が多くなかった。文系であれば早慶→GMARCHとちょうどよくバランスを取れるように、芝浦工業大が理系版のGMARCH枠を埋めた形だ。

　GMARCHの理系学部と芝浦工業大をダブル合格した場合、後者を選ぶ学生も少しずつだが、増えてきており、今後も要注目だ。

「成成明学獨國武」と言われる文系の有力大学にはそこまで動きはない。どこもGMARCHに食い込むことはないが、日東駒専に追いつかれることもないという場所に安定して位置している。

　強いていえば、10年間のあいだで武蔵大学が若干ランクアップしている。着実に、そして静かにランクアップをするのが実に武蔵大学らしい。武蔵大学はさまざまな大学が大規模な方針転換や大規模戦略を打つのに対して、変わらずにマイペースを貫いている印象。しかし、あいかわらず在学生からの満足度は高く、ちいさい大学ならではの利点を最大限に活かしている。

　このグループの大学は全体的に規模が小さい大学が多い。そのため、大学の面倒見がよく、学生同士も仲良くなりやすい。

　GMARCHにコンプレックスを持つ学生は多いが、環境は抜群なので、楽しめるかどうかは本人次第だ。