
Photo: Sebastian Mejias for WSJ
米ホームセンター最大手 ホーム・デポ が全国に展開する店舗の駐車場やその周辺で、ドナルド・トランプ大統領が進める移民取り締まりの影響が顕在化しつつある。
通常は大勢いる日雇い労働者が、抜き打ちの不法滞在者摘発の増加を受け、姿を見せなくなり始めている。日雇い労働者の多くは米国での在留資格を持たない。
ニュージャージー州北部のホーム・デポ店舗前では10日、ほんの一握りの労働者が請負業者の到着を待っていた。数カ月前と比べて大幅に減っている。ロサンゼルスの2店舗では、やってきた数人の男性らが店の警備員に歩道からはみ出さないよう指示された。テキサス州ヒューストン周辺の3店舗では、労働者の姿は全くなかった。
トランプ政権による大規模な強制送還は、数十年前から続く賛否両論ある共生関係を脅かしている。日雇い労働者は建設事業で支援を必要とするホーム・デポの顧客、すなわち請負業者や住宅所有者にサービスを提供している。ホーム・デポは公式にはこうした活動を容認していない。
ホーム・デポには長年掲げる「勧誘禁止」の方針がある。これは労働者は店舗の敷地外でしか集まれないということを意味する、と同社の広報担当者は述べた。
ホーム・デポは移民賛成派からも反対派からも批判を受けてきた。不法滞在者の就労を仲介しているとしてホーム・デポを非難する声もあれば、労働者の待遇改善に向けて同社に圧力をかけている人々もいる。

Photo: Seeger Gray/WSJ
移民当局は6日、ロサンゼルスのヒスパニック系住民が多いウエストレイク地区のホーム・デポが入っている小型ショッピングセンターで、一斉摘発を実施した。これをきっかけにロサンゼルス郡で数日間にわたる抗議デモが発生。移民・税関捜査局(ICE)は週末にかけ、ホーム・デポの他の店舗周辺を含めた同地域で複数の摘発を実施した。