今や一般入試も一発勝負ではない
――それぞれの違いを教えてください。
びーやま:一般入試はかつてと変わらず、ペーパーテスト一発勝負で合否を決める方法です。いわゆる受験ですね。
判定方法は合格点数を上回るかどうかですから、かつてと変わりませんが、中身は結構変わってきています。科目数は複雑になってきましたし、大学によっては英検のスコアをそのまま一般入試時の英語の点数として換算するところもあります。
なので、一発勝負かと言われたらそんなこともなくて、テストはするものの対策方法はたくさんあるという印象です。そのため、英語に自信がないという学生などは英検などで事前に確実に点数を固めておくということも可能です。
――昔の一般入試とは全然違いますね。指定校推薦の特徴はどうでしょうか。
びーやま:指定校推薦が今の所、一番変化がないと思います。学内の条件さえ満たせば受験ができます。指定校推薦はなにかと目の敵にされがちですが、学校の成績や素行面は重視されるわけで、決して簡単なわけではありません。
一発勝負は本当に苦手という学生にはやはりピッタリだと思いますし、3年間コツコツ評価を積み上げられる人が報われるというのは意義があると思います。
――真面目な学生が得をするのはいいことですよね。
びーやま:そうですね。ただ一方で、少し疑問もあります。
高校によっては、上位層は一般受験でも受かるから、下位層に指定校を譲ろうみたいなこともあるんですよね。全体での進学実績も固められるしみたいな。
これはいかがなものかなというのは正直なところ感じます。
条件さえ満たしていればルール破りではもちろんありません。ただ、本来「優秀だから先に合格を出します」という理由で運用されている推薦制度の意味とは反対なんじゃないかと。指定校推薦による質の低下は、こういった運用面にあるとも思います。
枠が本当に余っているならいいですが、少なくとも上位の子も利用したいと思っている場合は、そこにストップをかけないでほしいというか、頑張っている子が損をするのは違うよなと。
学校経営も大変ですから、「絶対に禁止!」とも思わないですが、いい方法はほかにもあるのかなと感じます。