「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【株価が10%下がったあとに10%上がったら、何%?】「元に戻った!」と思う人の“根本的な間違い”の正体Photo: Adobe Stock

「元通りの数字にはならない理由」説明できますか?

株価が10%下がったあとに10%上がると、なんとなく「元に戻った」と思ってしまいがちですよね。

しかし実際にはそうではありません。たとえば100円の株が10%(10円)下がって90円になったあと、そこから10%(9円)上がっても99円。

つまり、1円分、下がったままなのです。

「割合」を深く理解する

この法則は実はとてもシンプルです。

最初の値から10%下がったところまではいいのですが、重要なのはその後のかけ算です。

再度株価が上がるときには、「最初の値より10%下がった値」を基準に10%が掛かりますね。そのため、同じ10%に見えても、結果に差が出てしまうのです。

数字の「意味」を考える習慣

数字が苦手な人は、こうした割合の変動を「足し引きのように」単純に考えてしまいがちです。

一方、数字に強い人は、「プラス・マイナスが同じ割合だから元通り」という単純な発想で終わりません。こういった割合の意味をしっかり考えているからこそ、細かい計算であっても、意味を正しく把握することができるのです。

数字には落とし穴がたくさん潜んでいます。しかし、その多くは難しいものではなく、「小学校の算数」ができれば、自然と解決するようなものが多くあります。日頃から実際に計算しながら確認するクセをつける。

それだけで少しずつ数字に強くなっていきます。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)