人間味のある「ペンギン相関図」と納涼感あふれるくらげアート

京都駅から七条通を北西方面に1キロ半ほど。歩いてもいいのですが、JR嵯峨野線で隣となる「梅小路京都西」駅で降りることをおすすめします。瓦屋根を冠した和洋折衷のレトロな木造建築が目に留まります。こちらは1904(明治37)年築の「旧二条駅舎」。貴重な鉄道遺産として、96年に現在地へ移築されました。隣接する京都鉄道博物館内のミュージアムショップや展示スペースとして活用されています。広々とした博物館内は真夏の昼間の憩いのスペースですので、まだの方はぜひ一度体験してください。
旧二条駅舎から梅小路公園内を東へ進むと、2012年開業の内陸型大規模水族館「京都水族館」が。時々鴨川にも現れて話題となるオオサンショウウオをはじめ、ペンギン、イルカ、クラゲなど約250種1万5000点が飼育されています。
近年の話題は、ペンギン50羽の個性や関係性を“3分くらいでなんとなく分かって、1時間くらい見ていられる「京都ペンギン相関図」。親子関係だけでなく、離縁、復縁、恋の駆け引き中まで、全ペンギンと飼育スタッフとの関係が写真と名前付きでユーモアたっぷりに紹介されています。ペンギンたちをより身近にいとおしく感じられる、ドラマのように楽しい相関図ですのでお見逃しなく。
360度のパノラマ水槽「GURURI」を中心に約30種5000匹のクラゲを展示する「クラゲワンダー」も人気。透き通るクラゲが水の中をゆらりゆらりと泳ぐ姿がなんとも涼やか。夏の終わりに海で出くわすよりも、断然こちらがおすすめできます。
2階のテラスでは「くらげと傘と風鈴と」が開催中(9月30日まで)。クラゲを模した手作り風鈴とクラゲを描いた京和傘を通し、クラゲの多彩な魅力を伝える趣向で、今年で5回目を迎える夏の風物詩です。
実際に展示されている「キャノンボールジェリーフィッシュ」や「ミズクラゲ」など24種のクラゲを再現した「クラゲ風鈴」は約170個。クラゲを知り尽くした飼育スタッフの監修の下、新潟の工房が色や形、柄などクラゲの特徴を繊細に表現したガラスアートです。スタッフや来館者による“クラゲ川柳”もお楽しみ。
西陣にのれんを掲げる京和傘の老舗「日吉屋」が手がける「クラゲ京和傘」もお目見えしています。こちらは飼育するクラゲのうち18種を墨彩画で描き、水中をゆらりと泳ぐクラゲを表現。午後6時以降はライトアップも。昼間とは異なる幻想的な雰囲気が楽しめますよ。
