CEOの順番待つ米X世代、出番なくILLUSTRATION: EMIL LENDOF/WSJ, ISTOCK

 経営トップの座ということに関しては、米国のX世代は「忘れられた世代」という呼び名を地で行くのかもしれない。ベビーブーマー世代では、従来の退職年齢を超えて働き続ける人が増えている。彼らがバトンを渡す準備ができる頃には、ミレニアル世代がそれを受け取ろうとするだろう。

 こうしたことは、すでに多くの企業で起きている。株価指数のラッセル3000に採用されている企業では、最高経営責任者(CEO)の41.5%が60歳以上で、この割合は2017年の35.1%から上昇している。全米産業審議会(コンファレンスボード)とデータ分析会社ESGaugeの調査によると、同じ期間に30代・40代のCEOの割合は13.8%から15.1%に上昇した。

 つまり、一般的に1965~80年生まれと定義されるX世代が経営のトップに就く機会は減少している。8年前には50代がCEO職の51.1%を占めていたが、現在では割合は43.4%に低下している。

 多くのX世代は、やるべきことをやっていればいずれ自分の番が来ると信じて行動してきたと口にする。ところが彼らが本来なら経営幹部としてキャリアの絶頂期に入る時期を迎えた現在、多くの企業は高齢のリーダーに引き続き経営を任せたり、1世代飛ばしてその次の世代から人材を探したりしている。

 全米産業審議会のマッテオ・トネロ氏は「CEO職に関しては『バーベル現象』が見られ始めており、X世代が中間で圧迫されている」と語る。