年齢、性別、人種、教育歴、婚姻状況、雇用状況、世帯収入、保険加入状況などを調整後、全死亡(あらゆる原因による死亡)のリスクは1日15分の早歩きにより19%低下し(ハザード比〔HR〕0.81〔95%信頼区間0.75~0.87〕)、1日30分の早歩きでは23%低下していた(HR0.77〔同0.73~0.80〕)。

 それに対してゆっくりした歩行は、1日3時間未満では全死亡リスクが有意に低下せず、3時間以上の場合にわずか4%のリスク低下が認められた(HR0.96〔0.91~1.00〕)。このような関連は、調整因子としてBMI、喫煙・飲酒習慣、余暇時間の身体活動量、座位行動時間、食事の質などを追加してもほぼ同様であった。

 今回の研究結果は、主に中~高所得の白人を対象に行われた先行研究の結果と一致している。Liu氏はジャーナルのプレスリリースの中で、「人々の居住地の近隣に、早歩きができるような環境を整備するための計画立案と投資が必要ではないか」と述べている。

肥満や脂質異常症、高血圧の
予防にもつながる

 ところで、早歩きはどのようなメカニズムで健康を増進するのだろうか? 研究者らは、早歩きのような有酸素運動は、心臓のポンプ作用、酸素供給力などを高めるように働くと解説している。また、そればかりでなく、早歩きを習慣として続けることは、肥満や脂質異常症、高血圧の予防にもつながるという。

 著者らは、「われわれの研究結果は、健康状態を改善するための実行可能性が高く、かつ効果的な戦略として、早歩きを推奨することの重要性を強調するものだ」と結論付けている。(HealthDay News 2025年7月29日)

https://www.healthday.com/health-news/exercise-and-fitness/walking-for-health-a-faster-pace-boosts-benefits

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