働き方の価値観が変わった日写真はイメージです Photo:PIXTA

かつては転職を「逃げ」や「失敗」と見る人も少なくなかった。だが、働き方の多様化が進み、今や転職はキャリア形成の一手として定着しつつある。だが、価値観の変化は突然訪れたわけではない。日本初のキャリアコンサルタントとして知られる上田晶美氏が、転職市場のはじまりを振り返る。※本稿は、上田晶美『若者が去っていく職場――人事部は知らない!若者の離職の本音』(草思社)の一部を抜粋・編集したものです。

仕事中も気になってしまう!
転職サイトのスカウトメール

「テレワークになってから、毎日長時間パソコンとにらめっこです。会議や面談の途中にも、大事な連絡を見逃してはならないと思い、メールの新着がタイトルだけ上がってくる設定にしています。そうすると、ほんと3分ごとくらいに、転職求人のスカウトメールがピコーン!って入ってくるんですよ(笑笑)。一度、転職サイトを検索したら、途切れることなくスカウトメールが送られてくるようになりました。SNS特有のおすすめ機能ですね。さも私の嗜好に合わせるかのように情報、宣伝、動画がポンポン上がってきます。

 だいたい読むまでもなく、瞬間的に見飛ばして消していますが、まれに『新卒のとき、落ちた会社…』などが上がってくると、つい見てしまいますよね。コロナ禍の前からスカウトメールはあったのですが、テレワークでパソコンを見る時間が何倍にも膨れ上がりましたから。転職したいとも思っていないのに、いつも見ていると、だんだんと転職も悪くないかな?と思えるようになってきてしまいます。次第に転職しないと損かな?くらいの気持ちになるかもしれませんね」