炭素除去クレジットの購入に関して言えば、この市場には誰もが認める絶対的な王者がいる——マイクロソフトである。しかし、その主要なライバル企業の1社は、もっと良いやり方があると考える。それは市場の拡大を急ぎすぎないことだ。「気候変動の危機のさなかにありながら、戦略的に忍耐強くいられるのは妙なことかもしれない。だが私たちには、正しいやり方で事を進める責任がある」。こう話すのは、アマゾン・ドット・コムの「炭素中立化の科学と戦略(carbon neutralization science and strategy)」部門の責任者であるジェイミー・マリガン氏だ。マリガン氏は、大きな資金力を持つ少数のバイヤーだけでなく、多くのバイヤーが炭素除去クレジットを購入できる市場を形成することが重要だと考える。同氏はさらに、温暖化対策の一環として、大気中の炭素を除去するプロジェクトに資金を提供するクレジットの「質」を確保する取り組みが強化されることも望んでいる。