米国企業の医療保険費は来年、少なくとも15年ぶりの大幅上昇となる見通しだ。たび重なる値上げにより、この費用は家族向け・年間で小型車1台分もの水準に達している。福利厚生コンサルティングを手掛けるエーオンの推計によると、企業の保険コストは2026年に約9.5%上昇する見込み。同業WTWの企業調査でも9.2%の上昇が予測されている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が独占入手した両社の予測は、少なくとも2011年以降で最も高い上昇率だ。11年当時、企業が負担する家族向け保険プランのコストはこのところの平均の約2万5500ドル(約376万円)を大きく下回っていた。今年実施された他の企業調査も同様の結果を示しており、来年の医療保険支出はここ2年の大幅増の上、さらに大きく膨らむ見通しだ。雇用主団体「全米医療購入者連合」のショーン・グレミンガー最高経営責任者(CEO)は「多くの雇用主にとって持続不可能な数字だ」と指摘した。