注目は神奈川県。前年5位(42.6点)から神奈川県としては史上初の4位(43.1点)にランクアップした。東京都が5位(42.1点)に後退し、関東の序列に変化が訪れた。
では、神奈川県の強みは何だろうか。
「都会的な横浜市と、歴史的な鎌倉市という二つの都市が両輪にある。近年はアニメ『青春ブタ野郎』シリーズや『スラムダンク』の舞台として注目を集め、鎌倉市を中心にインバウンド需要の急増が要因と考えられる」と田中社長。
さらに、「神奈川県は『スポーツの参加・観戦が楽しめる(17.2%)』『魅力的な美術館・博物館がある(9.7%)』『魅力的な商店街や店舗がある(11.6%)』『地域内の交通が便利(16.2%)』といった設問でいずれも3位となり、総合的に高評価を得ている」と指摘した。
居住意欲度(※2)でも全国1位(24.5点)を獲得し、居住と観光の両面で評価を高めた。
(※2)居住意欲度は、「各自治体に住んでみたいと思いますか」という問いに対して、「ぜひ住みたい」を100点、「できれば住みたい」を50点、「住んでもよい」を25点、「どちらとも言えない」を0点、「あまり住みたくない」を0点として、加重平均した数値を算出した。なお、本設問で無回答のものについては0点とした。
躍進した九州と東北の県
産業と観光で存在感を示す
地方で大きな伸びを見せたのは熊本県と山形県だ。
まず、19位(27.7点)の熊本県は、前年の26位(24.1点)から7ランク上昇した。台湾に本社を置く世界的半導体メーカーTSMC(ティー・エス・エム・シー、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)の進出により、最先端技術の拠点という新たなイメージが形成されている。
そのうえで、熊本県熊本市は水道水の100%を地下水で賄っていることから、「水の国」として再評価された。さらに、昨年リニューアルした熊本空港の利便性向上が観光意欲度(※3)を押し上げ、前年22位(40.9点)から14位(44.3点)へと急上昇した。
田中社長は「工場の進出と空港整備が重なり、産業と観光の両面で県全体のブランド力を一気に高めた」と分析する。
(※3)観光意欲度は、「今後、各自治体に観光や旅行に行きたいと思いますか」という問いに対して、「ぜひ行ってみたい」を100点、「機会があれば行ってみたい」を50点、「どちらとも言えない」を0点、「あまり行きたいとは思わない」を0点として、加重平均した数値を算出した。なお、本設問で無回答のものについては0点とした。