米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は14日、保有する米国債の規模を縮小する過去3年以上にわたる取り組みが終わりに近づいている可能性を示唆した。2020年の新型コロナウイルス禍で米経済が深刻な打撃を受けたことで、FRBは景気刺激策として米国債を大量に購入していた。FRBは金融市場と経済を支援する異例の取り組みとして大量の債券を買い入れ、2022年半ばに総資産は9兆ドル(約1370兆円)近くまで膨らんだ。だが、それ以降はバランスシートを受動的に縮小するランオフを開始し、6兆6000億ドルまで圧縮してきた。景気刺激策の巻き戻しにより、銀行準備預金が金融システムから流出している。FRBはこれまで、市場の準備預金が潤沢でなくなる兆候が出るまで、保有資産の縮小を進める方針を示してきた。