米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は14日、根強いインフレへの懸念が残るものの、労働市場の軟化を重視する姿勢を示し、FRBが10月の会合で追加利下げを実施する見通しを維持した。パウエル氏はフィラデルフィアで開催された全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で、FRBが相反する政策措置を必要とする二つのリスクの間でバランスを取ろうとしていると指摘した。利下げを急ぎすぎると「インフレ退治が中途半端に終わる」可能性がある一方、利下げが遅すぎれば「労働市場の痛みを伴う損失」を引き起こす可能性があると述べた。パウエル氏は「現時点でリスクのない道筋はない。(インフレは)かなり緩やかに上昇を続けているようだが、今や労働市場はかなり大きな下振れリスクを示している」と指摘。「労働需給の両面で急激な落ち込みが確認されている」と述べた。