米中の貿易対立が続く中、中国政府は、株式市場の動きを注視するドナルド・トランプ米大統領の姿勢が米国側の「アキレス腱(けん)」になるとみている。事情に詳しい複数の関係者によれば、習近平国家主席は、米国が中国との長期にわたる貿易紛争に耐えられないと考えている。貿易戦争が激化すれば市場が急落すると確信しており、それが中国の強硬姿勢の維持につながっているという。トランプ氏がいわゆる「解放の日」関税を4月に発表し、中国政府が報復に踏み切った際も市場が急落したため、今回も同じような展開が予想されているという。複数の関係者によると、再び市場が急落する可能性を受け、トランプ氏が今月中に予定される習氏との首脳会談で交渉に応じざるを得なくなると中国側は予想。