このところ債券市場にとってほぼ全てが追い風となっている。米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを進めてきた。雇用の伸びと個人消費が鈍化し、さらなる利下げへの期待を維持しているが、企業のバランスシートを脅かすような差し迫った景気後退を示すものではない。ドナルド・トランプ大統領の関税が物価を押し上げるとの懸念があるにもかかわらず、インフレ圧力は引き続き緩和している。広く注目されているブルームバーグ米国総合債券指数は、物価変動と利払いを考慮した2025年のリターンが約6.7%となっている。このままいけば、年間リターンは2020年以来の高水準となる見込みだ。債券市場は、FRBのインフレ対策によって22年が史上最悪の一年となった後、持ち直していた。主に米国債、投資適格社債、政府系機関の住宅ローン担保証券(MBS)で構成されるブルームバーグ米国総合債券指数は23年に5.5%のリターンを記録したが、24年にはほぼ停滞していた。
今年の米債券市場、リターンは2020年以来の高水準へ
FRBの利下げが財政赤字への懸念を打ち消し、米国債や社債の価格を押し上げてきた
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