世界で新たな核軍拡競争が始まっているが、米国は冷戦時代とは異なり、一つの国ではなく二つの国との競争に備える必要に迫られている。また今回は米国が産業・経済面で明確な優位性を失う中での争いになる。長らく小規模な核戦力しか保有していなかった中国は急速な追い上げを見せており、ロシアも米国の都市を標的とした複数の新世代システムの開発を継続してきた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はすでに核の脅威を利用して、米政府のウクライナ支援をけん制している。核兵器をベラルーシに配備したほか、ここ数週間で原子力推進式ミサイルと潜水型の原子力魚雷の実験を行った。プーチン氏は、米国の防衛を無力化するものだとしている。米ロは依然として、新戦略兵器削減条約(新START)などの軍備管理制限を守っているが、この条約は来年2月に期限を迎える。一方で中国は何の制約も受けずにひそかに、だが急速に開発を推進している。米国の推計によれば、中国が配備する核弾頭は、2030年代半ばまでに米国とほぼ同数になる。
新たな核軍拡競争:米国が中ロと同時に対峙
数十年間の空白期間を経て、核兵器が世界政治の最前線に再び急浮上
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