米連邦準備制度理事会(FRB)のフィリップ・ジェファーソン副議長は17日、執拗(しつよう)なインフレと雇用情勢の鈍化というリスクは利下げを「ゆっくりと進める必要があることを浮き彫りにする」との見方を明らかにした。中西部ミズーリ州カンザスシティーでの講演原稿で見解を示した。ただ、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げするのか打ち止めにするのかには踏み込まなかった。FRBが12月9・10日に開催するFOMCで利下げを決めるとの市場予想はこのところ着実に低下している。CMEグループによれば、1週間前は60%、ジェファーソン氏の17日午前の講演前は45%未満だった。ジェファーソン氏は、金利は依然として経済成長に対して「いくぶん抑制的な」水準にあるものの、このところの利下げによって景気を熱しも冷やしもしない中立的な水準に近づいたとの見解を改めて示した。