ロシア軍兵士のセルゲイ・ハンドジコさんが2023年10月に入隊した翌日に結婚した時、家族や友人は状況をよく飲み込めなかった。40歳だった彼は、花嫁となった女性について話したことがなく、結婚について語ったこともなかったからだ。さらに不可解だったのは、写真撮影も指輪の交換もなく、参列者もたった1人という20分間の結婚式だったことだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した証言と裁判所の判決によると、新婦はその後も自身の元夫と子どもたちと一緒に暮らし続けていた。しかし、ハンドジコさんがウクライナでの戦闘で負った傷が原因で死亡し、戦死した兵士の遺族に支払われる一時金を新婦が受け取ると、アラームが鳴り始めた。ハンドジコさんの義理の姉妹は取材でこう語った。総額20万ドル(約3000万円)の支払いは、ロシアの平均年収のほぼ20倍に相当する。