「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

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インド人の「天才的な思考法」

 私が駐在を始めてインド民と接することになって感じた衝撃は、「こんなにも自己中な奴らがいていいのだろうか」という素直な感想だった。彼らが悩みなど無いかのように平然と生きていられるのはなぜだろう、何故、14億人の社会がこれで回っているのだろう、単純に教育レベルや経済レベルの問題なのだろうか……私はインド以外の他の国での生活や国際ビジネスの経験があるが、それでも彼らは世界的にも「ジコチューの天才」だと断言できる。

 ではここから先いくつかのインド民の日常を紹介していく。あなたもその場の当事者と思って彼らの行動を観察してほしい。

インドあるある「飛行機が着陸した瞬間にベルトを外しはじめる」

「自分のことしか考えていない」インド民の思考回路や行動を象徴するのにちょうどいい例は、飛行機が着陸する瞬間である。

 飛行機が着陸するやいなや、まだベルトサインが消えていないのに、ベルトを外す音やスマホの着信音が聞こえ始める。中には席を立ち始めて荷物を取り出そうとする危険な輩(やから)もいる。飛行機が止まると、まだドアも開いていないのに、我先に立ち上がり通路を埋め尽くし、外に出ようとする。

 デリー-ムンバイ間のような大都市間の路線は年々マナーの向上が見られるが、これはインド国内線とインドに発着する一部の国際線でも見られるインド便の名物の光景だ。通路側の席に座ったままの私を、窓側のインド民が、「お前も早く立って、通路に出ろ」と言いたげにこちらを見てくるのに耐えながら私はじっと座っている。

日本人が「インドに学ぶ」べき点、そうでない点

 ここでわざわざ飛行機の例を取り上げたのは、飛行機を利用する人々はインド民の中でも相当に所得が高い層であるからだ。インド民の行動様式を単に所得や経済状態の問題だと片付ける解説も巷(ちまた)には多いが、それは全く適当ではなく、所得が高くなろうがこの傾向は消えないことのよい証明である。

 ただ、賢い読者のみなさまであれば、こういった行動を日本でそのままマネできないことはおわかりになるだろう。しかし、彼らの「思考」には、日本人が見失っている幸せのヒントが確かに存在すると、私は考えている。

 本書の目的は、「考えすぎ」によって思い通りに人生を生きられない現代日本人の悩みへの特効薬として、インド民の暮らしと思想を見つめ、「ひたすら自分のために人生を生きる“幸せな合理思考”」の習慣(以後『習慣』)を読者の皆さんに身につけてもらうことである。

「自分のため」を追求することが異常に苦手な現代の日本人にとって、インド民の驚くべき思考習慣を知ることは一種のショック療法的に作用するだろう。

(本記事は『インド人は悩まない』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です)