「決算は年4回なのに、なぜ株価は毎日動く?」…シゲルさんの答えが深すぎた
投資歴70年 資産24億円――【プロの儲かる知識を簡単インストール】人生、もう詰んだ……40歳、しがないサラリーマン。月1万5000円の小遣いを握りしめ、毎日通勤する日々だ。増えない給料、重くのしかかる住宅ローンと教育費。冷え切った家庭に、もはや自分の居場所はない。そんな人生のどん底の状況で拾った、1冊の古びた手帳。それが投資歴70年、資産24億円を築いた89歳現役トレーダー・シゲルさんとの奇跡的な出会いだった。お金、仕事、家庭……すべてに絶望した崖っぷちの男が“投資の神様”から授かった「世界一のお金と人生の授業」とは?“小説形式”だからスラスラ読めてドンドンわかる話題の書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。答えはすべて、この物語にある。
写真:川瀬典子
「空白の期間」を埋めるもの
決算が出るのなんて3か月に一度だ。それ以外の日にだって株価は動いている。
「日々株価は動く」くらいの知識はあったけれど、「株とはそういうものだ」としか考えていなかった。
数式では弾き出せない「心」の力学
「ええか、株価は業績だけでは決まらん。最終的に株価を動かすのは、“人の心”や。『この会社がこの値段なら安い』と思う人がいれば、株は買われて上がるし、『この値段は高すぎる』と思われたら、売られて下がる。それだけの話や。要は、“人がその株価をどう見るか”やねん」
シゲルさんはそう言って、僕の目をじっと見つめた。
【解説】決算の「隙間」を埋めるのは期待と不安
シゲルさんの言葉は、教科書や入門書には書かれていない、しかし相場の世界で生き残るためには不可欠な「相場の核心」を突いています。
企業の実力を示す決算発表は、四半期ごとに年にたった4回しかありません。しかし、株価は市場が開いている限り、毎日、毎秒動いています。では、この業績データが更新されない「空白の期間」に何が起きているのでしょうか?
その隙間を埋めているものこそが、投資家たちの「思惑(おもわく)」です。
「次はもっと良い数字が出るはずだ」という期待や、「景気が悪くなるかもしれない」という不安。これらが、企業の実態(業績)が昨日と変わっていない日であっても、株価を上下させるのです。
「絶対的な正解」など存在しない
私たちはつい、「PER(株価収益率)が何倍だから適正価格はこれくらいだ」と、数式で正解を求めようとします。しかし、シゲルさんが言うように、市場においては「みんなが安いと思う価格」が正義であり、数式で弾き出した理論値が常に正しいわけではありません。
どれほど業績が良くても、市場全体が恐怖に支配されていれば「まだ下がる」と判断されて売られますし、逆に熱狂の中にあれば、実力以上に買われることもあります。
「心の力学」を味方につける
この話から学べることは、「株価の動きに対して、過度に論理的な理由を求めすぎない」という姿勢です。
日々の値動きの多くは、業績の変化ではなく、人の心の揺らぎ(センチメント)によって起きています。
「なぜ下がったのか?」と不可解な動きに悩んだ時、「企業の価値が下がったのではなく、投資家心理が冷え込んだだけだ」と割り切ることができれば、狼狽売りを防ぐことができます。
逆に、その心理的な歪みが生んだ安値を「チャンス」と捉えることもできるでしょう。
※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。











