「真面目に働くのがバカらしい」と嘆く前に知っておくべき、投資の税金“ゼロ”の正攻法
投資歴70年 資産24億円――【プロの儲かる知識を簡単インストール】人生、もう詰んだ……40歳、しがないサラリーマン。月1万5000円の小遣いを握りしめ、毎日通勤する日々だ。増えない給料、重くのしかかる住宅ローンと教育費。冷え切った家庭に、もはや自分の居場所はない。そんな人生のどん底の状況で拾った、1冊の古びた手帳。それが投資歴70年、資産24億円を築いた89歳現役トレーダー・シゲルさんとの奇跡的な出会いだった。お金、仕事、家庭……すべてに絶望した崖っぷちの男が“投資の神様”から授かった「世界一のお金と人生の授業」とは?“小説形式”だからスラスラ読めてドンドンわかる話題の書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。答えはすべて、この物語にある。
写真:川瀬典子
指先ひとつで否定される「努力」
僕が1日かけて稼ぐお金……立ちっぱなしで接客して、汗をかいて、頭を下げてようやく得られる対価が、シゲルさんがパソコンに向かって指を数秒動かすだけで得る利益を下回る現実。
比べたところで仕方ないとは思っても、心の奥で何かが軋む音がした。これ以上考えると、立っていられなくなりそうだ。
夢の裏側に潜む「20%の現実」
「おう、ちなみに言うとくけどな。株で得た利益には20.315%の税金がかかるで。手数料とかもあるし、まるまる儲けってわけにはいかん」
「えっ、2割も持っていかれるんですか?」
不労所得にも「天引き」は容赦なく
「せや。株で稼いだ金も、立派な『所得』やからな。売って儲けたら売却益、持ってたら配当金。どっちにも税金はかかる。たとえば100万円の利益が出たら、20万3150円が税金で引かれることになる」
【解説】「手残り」こそが真実
シゲルさんの言う「20.315%」という数字。これは投資を始めたばかりの人が最初にぶつかる、現実的で少し冷たい壁かもしれません。しかし、この税金の仕組みを知ることは、投資家としてレベルアップするための必須科目です。
ビジネスでも投資でも、重要なのは「いくら売り上げたか(額面の利益)」ではなく、「いくら手元に残ったか(税引き後の利益)」です。
100万円儲けても、税金で約20万円引かれれば、実際に使えるお金は約80万円。シゲルさんのような熟練の投資家は、この「見えないコスト」を常に計算に入れています。彼らにとって税金は、利益を圧迫する経費そのものといえなくもありません。「税金を払ってでも利益が出ているなら良い」と割り切る一方で、無駄な経費は徹底的に削ろうとします。
個人投資家に許された「聖域」
ここで、読者の皆さんに朗報があります。私たち個人投資家には、この約20%の税金を「ゼロ」にできる強力な武器が与えられています。それが「新NISA(少額投資非課税制度)」です。
新NISA制度を活用すれば、決められた枠内での利益に対して税金がかかりません。シゲルさんが支払っている約20万円の税金が、あなたの手元にはそのまま残るのです。
これは、投資のパフォーマンスを実質的に2割以上向上させるのと同じ効果を持ちます。プロの機関投資家ですら使えない、個人だけに許されたこの特権を使わない手はありません。
知識は資産を守る防壁になる
「儲かったら税金を払う」。これは国民の義務ですが、合法的に節税する手段を知っているかどうかで、数年後、数十年後の資産額には大きな差がつきます。
まずは新NISAをフル活用すること。そして、将来的に特定口座(課税口座)を使うようになったら、損失が出た際に利益と相殺して税金を減らす「損益通算」などの仕組みを学ぶこと。
銘柄選びで攻めることも大切ですが、こうした「守りの知識」もまた、あなたの貴重な資産を確実に増やしてくれるのです。
※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。











