「まじめに勉強に取り組むだけではなく、テクニックを使って1点でも点数を取る。それも実力」。
偏差値35から東大合格を果たした『5科目50年分10000問を分析した東大生のテストテクニック大全』(ダイヤモンド社)の著者・西岡壱誠氏はそう語ります。では、その1点はどう取るのでしょうか。本記事では、本書よりテストで使えるテクニックを紹介します。
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まず「最後の問題」を見る
共通テストで国語や英語の長い文章の問題を解く際に、必ず意識してほしいことは「文章をゆっくり全部読めることはない」と思うことです。
近年の共通テストは、ひとつの大問あたりにかけられる時間が非常に短いうえに、文章の内容が簡単に理解できるものではなくなっています。
そこで使えるテクニックとして、「最後の問題文を読んでから解く」というものがあります。
共通テストにおいて、現代文、古文、漢文、そして英語長文の最後あたりの問題(会話形式や資料など)は、本文の要約問題となっています。
そこを先に読むことで、話の流れやオチなどがわかるため、本文をすらすらと読むことができてしまうのです。
次の問題は2023年の共通テスト、国語の第3問の一部です。
① 宮司たちは、船の飾り付けに悩み、当日になってようやくもみじの葉で飾った船を準備し始めた。
② 宇治の僧正は、船遊びの時間が迫ってきたので、祈禱を中止し、供の法師たちを庭に呼び集めた。
③ 良暹は、身分が低いため船に乗ることを辞退したが、句を求められたことには喜びを感じていた。
④ 殿上人たちは、管絃や和歌の催しだけでは後で批判されるだろうと考え、連歌も行うことにした。
⑤ 良暹のそばにいた若い僧は、殿上人たちが声をかけてきた際、かしこまる良暹に代わって答えた。
共通テストにおいてこのような問題は多くの場合「選択肢の番号順に物語が進む」のです。
したがって、間違った選択肢が4つは含まれているのですが、明らかに間違った文章というのは基本的に出題されないので、①~⑤の文章を順に読むことで1~3段落のある程度の話は推測できるようになっています。
この問題においては文章に「船」という単語、「句、和歌、連歌」という単語が出現していることから、船が関係したり、誰かが和歌を読む状況にあるということは容易に想像できます。
さらには、「殿上人」という単語や「身分」という単語が出現しているため、貴族と平民が出てくることなどが予想され、敬語などに注意を払えばいいということがわかります。
このように、本文を読まずともこの問題文でいろいろな予想をすることができます。本文を読んでからこの問題を読んでもう一回本文に戻る、という作業を行うことに比べるとかなりの時間短縮になるでしょう。
共通テストは時間が勝負になります。いかに早く解くかを考えたときに、愚直に本文を読んで問題に取り掛かるのは効率が悪いと気づくでしょう。
このテクニックを使って、共通テストの国語や英語の成績をグンと伸ばしていきましょう!
・共通テストの国語、英語の読解問題








