「思考停止している人」ほど連発する言葉、「考えの浅さ」が一発でバレる!
戦略コンサルやシリコンバレーの経営者、MBAホルダーには、共通点があった。「伝える内容を1つに絞り、1メッセージで伝えて、人を動かす」ということ。プレゼン・会議・資料作成・面接・フィードバックなど幅広い場面で成果を上げるノウハウをまとめた書籍『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』から一部抜粋して紹介する。
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考えの浅さが一発でバレる理由
言葉は誰かになにかを「伝える」ために使われる。
そして、そのように伝えるために使われる言葉だが、どのような言葉を使うかによってその人の「考え抜く」姿勢がわかったりもする。
考え抜くことをしたがらない「思考停止している人」ほどよく使う言葉とは?
たとえば、考え抜くことをしたがらない「思考停止している人」ほどよく使う言葉の一つが「本質ではない」という言葉だ。たとえば、次のように使われる。
「なんか、今日の議論は本質ではない気がするんだよね」
「あの人の意見は本質的ではない」
「うちの会社の会議はいつも本質的ではないことばかりで嫌になる」
この「本質ではない」という言葉は、誰かの意見や誰かの行為を否定するときに使われる。その特徴は、本質とはなにかの「定義」を曖昧にしたままでも、なんでも否定できることだ。
なにかを否定したかったら、とりあえず、「本質ではない」と言っておけばなんでも否定できる。定義を曖昧にしたままでも否定できるので、その否定する理由や根拠を考える必要も示す必要もない。
一方で、「本質ではない」という言葉は、言われた相手やまわりにとっては面倒な言葉だ。定義は曖昧だし、理由や根拠が示されないので実体がなく、その否定的な意見にどうにも反論しようがないからだ。
このようにして、「本質ではない」という言葉は、理由や根拠などを示さなくて済み、それでいて相手から反論も受けない無敵の言葉だ。このため、考え抜くことをしたがらない「思考停止している人」が連発する言葉になっている。しかし、同時にそれは、考えずに話している面倒な人だとまわりから思われるきっかけにもなってしまっている。
なぜ「本質的ではない」と言ってしまうのか?
なにかに違和感を覚えたり、なにかを否定したくなったりしたときに、「本質的ではない」とだけ言ってしまうのは自分の弱さの証だ。
「本質的ではない」と言って否定しても、理由や根拠を言わなくてよいので、それ以上は考えなくて済む。曖昧で実体がないので誰かに反論を受けることもない。そのように、考えたり反論を受けたりしなくて済むように、自分を守っている。
しかし、そうして自分を守ることによって、せっかくのチャンスも逸してしまっている。
「本質的ではない」と言いそうになったら、その理由や根拠を考えて言語化してみよう
なにかへの違和感や、否定したくなる感覚は、新しい改善や問題解決のきっかけになることがよくある。そんな大事なチャンスのときに、「本質的ではない」と言って考えることやまわりとの議論をシャットアウトしてしまっては、改善や問題解決の大事なチャンスを逸してしまう。
「本質的ではない」と言いそうになったら、とりあえず、言うのを止めてみよう。そして、なぜ自分は違和感を持ったのか、なぜ自分は否定したくなったのか、それらの理由や根拠を考え抜いて言語化しよう。そして、考え抜いた理由や根拠を相手やまわりに共有しよう。そうする人に対しては、まわりは「この人は考えようとしている」と感じ、一緒に議論や行動をしてくれ、結果として一緒に改善や問題解決を生み出せることもあるだろう。
たかが言葉、されど言葉。伝えるために使われる言葉だが、どのような言葉を使うかによって、その人の「考え抜く」姿勢まで透けて見えてしまうものなのだ。
(本原稿は『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』を一部抜粋・加筆したものです)









