「成長しない人」ほど無意識に口にする“ひと言”ワースト1とは?
戦略コンサルやシリコンバレーの経営者、MBAホルダーには、共通点があった。「伝える内容を1つに絞り、1メッセージで伝えて、人を動かす」ということ。プレゼン・会議・資料作成・面接・フィードバックなど幅広い場面で成果を上げるノウハウをまとめた書籍『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』から一部抜粋して紹介する。

「成長しない人」ほど無意識に口にする“ひと言”ワースト1とは?Photo: Adobe Stock

「成長しない人」ほど無意識で口にしていることがある

 会話の仕方は、人それぞれだ。そして、それぞれが会話の中で無意識でいろいろなことをやっている。特に「成長しない人」ほど会話の中で無意識で口にしていることがある。

「成長しない人」ほど「言い訳」を言う

「成長しない人」ほど会話の中で無意識で口にしていることの一つは「言い訳」だ。たとえば、「なんで期限を守れなかったのか?」と聞かれたときに次のように言うのが典型だ。

「普段は期限を守るタイプなのですが、今回は他部署から想定外の急な依頼がいろいろと入ってきてしまって」

 この例のように、言い訳とは、自分にとって都合の悪いことについて、その責任を軽くしようとして説明することだ。

 言い訳を言われた側は、そのように言い訳をして自分を守っている人を敢えて責め立てるのは気が引けるし、なにより面倒でもある。このため、仕事に大きな影響が出ていなければ、うんざりしながらも「次からは気をつけて」と注意するくらいで留めてしまったりする。こうして、多くの場合で言い訳は短期的には本人にメリットがある。このため、言い訳は癖になりやすく、言い訳をしている人は無意識でも口にするようになっていく。

 しかし、言い訳は短期的には本人にメリットをもたらしても、長期的には本人にデメリットをもたらす。言い訳をしている人は、成長が止まっていくからだ。

「言い訳」は「否定に開かれていない」

 言い訳をしていると成長が止まっていく理由は、言い訳をすることで自分自身の言動を「否定に開いていない」からだ。否定に開くとは、否定できる余地をつくり、建設的な否定の議論をオープンに受け入れることだ。

 言い訳とは、自分に責任があるにもかかわらず、その責任を軽くするもので、自分自身の現状を正当化するものだ。結果として、自分自身の現状が否定される余地を小さくしていて、自分自身の言動を「否定に開いていない」のだ。

「否定に開かれていない」から正当化が過剰になり、成長しない

 言い訳をしていて、自分を過剰に正当化していると、自分に責任があったにもかかわらず、その意識が薄らいでいく。このため、自分自身が抱える問題への自己認識が弱くなる。結果として、自分を変える意欲が弱まり、成長が止まっていく。

 自分でも最初は責任を感じていたからこそ言い訳をしていたのに、言い訳が通ってしまうとその正当化に自分自身も騙されてしまうのだ。そして、ミスや失敗から学ばないようになり、せっかくの成長の機会を逸していくのだ。

成長したければ、言い訳はやめよう

 自分になにか責任があり、負い目があるときには、言い訳を言うのはやめてみよう。

 言い訳を言うのは、相手やまわりをげんなりさせて失礼なときもある。しかし、それ以上に、言い訳を言うのは、自分自身に対して失礼だ。言い訳は自分を守っているようでいて、自分自身の成長のポテンシャルを棄損してしまうからだ。

 たかが言葉、されど言葉。自分が発する言葉次第で、自分自身の成長が変わったりもするのだ。

(本原稿は『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』を一部抜粋・加筆したものです)