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またしても「テスラキラー」が敗北を喫した。
米自動車大手フォード・モーターのピックアップトラック「F-150」の電気自動車(EV)版は、米EV市場におけるイーロン・マスク氏の支配に対する真の脅威と目された多くのライバルの仲間入りを果たした。
しかしこれまでのところ、デトロイトの自動車メーカー各社は、マスク氏率いるテスラのスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」を世界で最も売れている車(EVかどうかを問わず)へと押し上げたマジックを手に入れることができていない。
フォードが先週、(EV戦略の見直しとともに)赤字を出していた「F-150」のEV版であるライトニングの生産を終了し、195億ドル(約3兆円)の費用を計上すると発表したことは、ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)にとって大きな痛手となっただけではなかった。これは今年に入って既に何度かダメージを受けてきた、米国におけるEVの未来という構想に対するさらなる一撃となった。むしろ現状は、マスク氏のEVビジョンを全面的に受け入れた中国が圧倒的なリードを握っているように見えつつある。
フォードの対応は一部の人たちから歓迎された。トランプ政権が行ったようにEV普及を支援する優遇措置や規制を撤廃すれば、消費者は購入を控えてグリーンテクノロジーへの反対姿勢を示すという考えが、今回の件で証明されたと考える人たちだ。
だが本当の問題はもっと単純かもしれない。フォードのEVトラックが顧客の期待に応えられなかったということだ。







