ケビン・ウォーシュ氏は、ドナルド・トランプ米大統領から次の連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名された人物として、自らが何に直面することになるのか分かっているのだろうか。もちろん分かっている。しかしそれは、本来の金融政策の権限を長年逸脱し続け、改革を必要としている中央銀行にとって、彼が正しい人選である理由の一つにすぎない。ウォーシュ氏は元FRB理事で、その2006~11年の在任期間は、08年の金融危機およびリセッション(景気後退)の時期に重なった。彼はウォール街で働いたこともあるほか、ジョージ・W・ブッシュ大統領の下でホワイトハウスでの勤務経験もある。当時ウォーシュ氏はFRBの責任者ではなかったが、危機における経験は、避けられない次の危機が起きたときにかけがえのないものになるだろう。同氏は世界の金融市場を熟知し、欧州から英国、日本、中国に至るまで、世界の主要な金融関係者の多くと面識がある。