そんな方はまず、宅建を受けてみることをおすすめします。

 第1回でもお話した通り、宅建合格までの必要な勉強時間の目安は300時間くらい。社労士や行政書士に比べると分野も狭いので、社労士や行政書士を将来的に取りたい人は、まず宅建で腕試しをしてみるといいと思います。法律学習の向き不向きもありますから、それを見極める上でも有効なのではないでしょうか。

「ただの社労士」「ただの行政書士」に
ならないためには?

 社労士や行政書士の試験に合格すれば、その資格を活用して働くことができます。ただ、肝に銘じていただきたいのは、「資格を取っただけ」では仕事にならないということ。

 社労士は現在、日本全国に約4万6000人います。コンビニの数よりは少ないですが、郵便局(約2万3000局)の倍です。

 そうした中で仕事を見つけていくためには、「ただの社労士」「ただの行政書士」にならないことが大切です。

 社労士や行政書士という資格は、あくまで手に入れたラベルのようなものです。新たなこのラベルとともに、これまであなたが蓄積してきた経験や知見などを最大限に生かすことが欠かせません。生まれ変わって、これまでの経験を捨てて「社労士になる」のでは、埋もれてしまいます。

 実はかくいう私も、IT企業に在籍中、社労士の資格を取ったのですが、その時は「A面は会社員」「B面は社労士」という感じでそれぞれの“顔”を使い分けていました。社労士として仕事をしているときには、「社労士の林」としてしか働いていなかったのです。正直なところ、泣かず飛ばずでした。
 
 そんな中ある日、知人から「林さんってIT×社労士、両方の領域に詳しいところに強みがあるんじゃない?」といわれたのです。

 私は驚きました。ITの会社の中には当然ながら私よりもITに詳しい人がいるので、自分のITの知見が強みになることに気づけていなかったのです。この自分ならではのITの知見を生かそうとしてからは、社労士の仕事も軌道に乗り始めました。

 監査の仕事をしていたなら「監査×社労士」、外資系企業に勤めていたなら「語学×行政書士」のように、これまで蓄積してきた経験や知見が必ずあなたの強みになるはずです。

 ただ、その強みはなかなか自分では気づきにくいもの。できれば、自分のキャリアや経験を棚卸しした後、信頼できる人にアドバイスがもらえると良いですね。

 社労士も行政書士も平均年齢は50代後半だといわれています。今から始めても全く遅いことはありません。

 掛け合わせることができる自分ならではの強みが見つかれば、定年後に働く上で非常に役立つ資格だと思います。

>>連載第1回『勉強ごぶさたな人はコレやって!資格の達人がおすすめする「コスパ最強3資格」とは?』はこちら

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はやし・ゆうじ/1980年生まれ、東京都足立区出身。大学卒業後はITを通じて多くの方に役立つべく、IT関連企業で1000社以上の中小企業の業務改善に従事。エンジニア教育の講師として多くの資格取得を経て、社労士・行政書士として開業。保有資格・検定は600を超え、「資格ソムリエ(R)」としてさまざまなメディアで活躍中。著書に『かけ合わせとつながりで稼ぐ 資格のかけ算大全』(実務教育出版)など。