顕微鏡カメラでハンドバッグの表面素材を調べて真贋(しんがん)を鑑定するPHOTO: CAITLIN OCHS FOR THE WALL STREET JOURNAL
高級品企業はまるでヘッドライトに照らされたうさぎのように凍り付いている。中古高級品市場は転換点に差し掛かっているが、多くのブランドはどちらに飛び出すべきか決めかねている。
ベイン・アンド・カンパニーの推計によると、中古高級品市場の規模は昨年初めて500億ユーロ(約9兆1800億円)に達した。伸びは一次市場を上回り、高級ブランドがアウトレットを通じて行う取引全体と同じ規模に成長した。アウトレットは売上高で3番目に大きい販路だ。
高級品企業は、「ファッションファイル(Fashionphile)」「リアルリアル(RealReal)」などの大手再販プラットフォームと不安定な休戦状態にある。シャネルなどのトップブランドは、再販業者にどこまで容認するかを巡って訴訟を起こしてきた。
再販業者は訴えられないよう、ブランドの商標の利用を最小限にする必要がある。ロゴは商品の説明に使うことはできるが、広告やソーシャルメディアをロゴだらけにすることはできない。また、高級ブランドと実際に提携していなければ、あたかも提携関係があるかのような誤解を招きかねないマーケティングも避ける。
問題は、小規模の再販業者が毎年多数出てくることだ。中古高級品は、ソーシャルメディアのライブ配信やショッピファイのアカウント、「ベスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)」のようなピアツーピア(個人間)再販サイトで出品されており、イメージを重視するブランドが自社製品の見せ方をコントロールすることができない。
百貨店がこの分野に参入したことで、高級品の新品と中古品が同じ店舗で販売されるケースが増えている。ファッションファイルは米高級百貨店ニーマン・マーカスと提携している。顧客は店舗で中古高級品を下取りに出してポイントをもらい、そのポイントを使って同店舗で新品を購入できる。
ボストン・コンサルティング・グループによると、個人が所有する服飾品に占める中古品の割合は28%と、2020年から7ポイント上昇した。従来の小売業や、比較的新しいレンタルやサブスクリプションといった事業モデルは劣勢に立たされている。高級ブランドにとって特に実入りのいいハンドバッグがとりわけこの潮流の変化にさらされている。現在、若いZ世代がバッグを購入するのは半分近くが中古小売業者からだ。








