辺野古沖で転覆した「平和丸」と「不屈」を運航していた市民団体「ヘリ基地反対協議会」の幹部ら Photo:JIJI
18人の高校生を乗せた辺野古沖の抗議船転覆事故。若く尊い命が奪われた悲劇の裏で、同志社国際高校の会見からは「無登録の闇船」「無保険」「警報下の出港」という、教育現場の常識を覆す異常な実態が次々と露呈しました。「平和学習」という大義名分の下、なぜ名門校はこれほどずさんな計画を強行してしまったのでしょうか? その背景には、反戦・平和を掲げる「反権力」の人々が陥りがちな、恐るべき“副作用”が潜んでいました。(ノンフィクションライター 窪田順生)
高校側会見で飛び出した
常軌を逸する事実の数々
「知床の遊覧船事故もあったのに、そんないい加減なノリで子どもたちを抗議船に乗せたのかよ」
そんな衝撃を受けた人も多いのではないか。2人の尊い命が失われた辺野古沖抗議船転覆事故のことである。
「平和学習」という名目で辺野古沖で抗議をする小型船2隻に18人の高校生を乗船させた同志社国際高校が事故後、記者会見を催したのだが、そこでは「えっ? ウソでしょ?」とドン引きするような事実が次々と明らかになった。
その代表が、高校生たちが乗った船は「事業登録」をしていない、いうなれば「闇船」でなおかつ「無保険」だったということだ。小型船舶であっても他人の需要に応じて人を運送する事業を行う場合、運輸局への登録が必要だが、「ヘリ基地反対協議会」によれば登録はしておらず当然、保険も入っていない。
まず、こんな問題だらけの抗議船にノーチェックで、生徒を乗せた高校側の「安全意識」は常軌を逸している。
一般的な修学旅行では「学校旅行総合保険」のようなものに加入するはずなので、現地で船に乗るならば事業者として適切なのか、船舶保険の有無などは確認しなくてはいけないはずだが、会見ではそういう確認も全くしていなかったという。
そこに加えて「カネ」の感覚も異常だ。
今回の事故を受けて「ヘリ基地反対協議会」側はあくまでボランティアでの運航なので「無償」だったと説明したのに対し、高校側は船員3人に5000円ずつ支払っていた。この1万5000円はどういう名目で処理をしているのか。市民団体の船に乗船して、市民団体の預かり知らぬところで報酬を払うというのは一体どういうことなのか。
さて、そこでみなさんが気になるのは関西の名門・同志社を冠した高校で、なぜこんな一般社会の常識・ルールを無視した安全軽視の研修旅行が行われてしまったのか。
「うっかり」「こんな悲劇は誰も想定できなかった」など擁護する人もいるだろうが、筆者はこの問題の根幹には、「反戦平和運動」に関わる人たちに陥りがちな「ルール軽視」という問題があると思っている。
一体どういうことか順を追って説明しよう。







