レアアースの中国依存度下げが議論されたG7財務省会合に参加した片山さつき財務大臣
中国のレアアース輸出規制に対し、政府の対策や新資源の発見で「脱中国は成功した」という楽観論が広がっている。「中国は涙目」「日本の勝利」とSNSは高揚感に包まれているが、この光景は15年前の悪夢と重なる。浮かれる日本人が見落としている「15年前の過ち」と、中国が長期的なビジョンを持って築き上げた「レアアース支配」の実態について解説する。(ノンフィクションライター 窪田順生)
国産レアアースで脱中国
広がる楽観論
「レアアース脱中国」の機運が盛り上がっている。
1月12日、片山さつき財務相は米ワシントンで行われたG7の財務相会合に出席。有志国で連携してサプライチェーンを整備し、中国への依存度の引き下げを加速させることで一致したという。
同日、海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が静岡市の清水港から出航した。南鳥島の南東沖約150キロの海底にはレアアースを含む泥があることがわかっており、その埋蔵量は1600万トンにも及ぶ。これがもし商業化されたら中国依存から脱却できるかもしれないと期待されているのだ。
もちろん、今のような事態に備えて政府が既に行っていた対策もある。SNSでバズっているのは「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ)に出演した小林鷹之・自民党政調会長のこんなコメントだ。
「中国が今回輸出規制したのは『重レアアース』です。重いレアアース。国民の皆さんに広く知られていないのは、日本は既にオーストラリア、フランスに投資していて、重レアアースに関しては昨年10月からもうオーストラリアから輸入が始まっています」
このほかにもJX金属や大手商社などが中国以外の海外からの調達ルート確保に動いているほか、プロテリアル(旧日立金属)などはレアアースを使わない技術(レアアースフリー)の開発・性能向上に力を注いでいる。今回の事態にまさしく「オールジャパン」で対応しているのだ。
これを受けてSNSでは「マスゴミや左派がレアアースガーと騒ぐけれど、政府はしっかり対策済み」と高市政権の評価がウナギのぼり。気の早い人などは「日本の先手で中国涙目www」などと「勝利宣言」をする人まであらわれる始末だ。







