作業療法士のリム・シャンファさん(37)は、数冊の本、水、サバイバル用品を詰めたバックパックを背負って勤務先の病院に出勤する。エレベーターは使わず、11階まで階段で上ってからオフィスのある9階まで降りる。これは侵攻に備えた訓練だ。中国が台湾に対してミサイル攻撃を開始したら、3歳の娘と6歳の息子を安全な場所に連れていけるだけの準備をして体力もつけておきたい、とリムさんは考えている。「私にとって何よりも大切なのは、子どもたちを連れて走れることだ」台湾では、全ての市民を中国の攻撃に備えさせるという政府の目標を受け入れ、自衛に熱心に取り組む人々が増えている。リムさんもその一人だ。頼清徳総統と与党・民主進歩党にとって、台湾の存亡は軍の準備だけでなく、市民の侵攻への備えと中国を撃退する意志にかかっている。