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自衛隊機へのレーダー照射の事態に
“批判回避”で欧米と事前調整、今後もエスカレート?
高市首相が台湾有事を「存立危機事態」と国会で答弁したのを機に悪化する日中関係だが、12月6日には、沖縄本島南東の公海上空で中国軍機が自衛隊機に対して2回にわたり、レーダー照射を行う事態にまでになった。
首相発言は、単に日中関係の悪化だけではなく、日本や東アジア地域の安全に対する深刻な危機をもたらしかねない状況だ。注意する必要があるのは、中国の反応は過剰だが、同時に、これは計算され尽くしたものだということだ
中国はまず米国トランプ大統領への働きかけを行い、この件で高市首相をバックアップすることはないとの心証を得、また独仏など欧州主要国からも改めて「一つの中国」への支持を引き出した。
おそらく中国は今後も措置をエスカレートしていくのだろうし、そうしても欧米諸国が結束して中国批判をすることがないよう手当てをしているのだろう。
日本に対する水産物の輸入再開の停止や観光客・留学生の訪日自粛指示、交流イベントの停止が第一段階とするなら、邦人の拘束や日本企業への独禁法などの援用、さらにレアアース輸出規制など、経済的に日本を困らせる措置を第二段階として導入する可能性が高い。
そして自衛隊機へのレーダー照射のように日本への軍事的挑発も辞さないという行動に出るのかもしれない。中ロの爆撃機が合同して日本近海を航行したのも威嚇を意図したものだろう。偶発的な衝突の蓋然性はこの上なく高まる。
日本は安全保障上の深刻な危機回避に、改めて4つの問題についてきちんとした認識を持つことが重要だ。







