カナダのマーク・カーニー首相は、もはや政治の素人ではない。かつて中央銀行総裁を務め、米金融大手ゴールドマン・サックスでディールメーカーとして鳴らしたカーニー氏は、この1年で首相へと変貌を遂げた。今や、米国や中国といった大国の経済力に対抗するため、カナダのような「スモール・パワー(小国)」が連携する計画を打ち出す国際的指導者としての顔も見せている。国内に目を向ければ、カーニー氏は老練な政治家として周囲を驚かせている。わずか半年という短期間に、計5人の野党議員を左右両陣営および全土の異なる地域から引き抜き、与党・自由党の陣営にくら替えさせた。この「寝返り」が決定打となり、1年前の総選挙で少数与党となった結果を塗り替え、13日夜に下院での単独過半数を正式に確定させた。