玉田の謎の行動が気になる

 直美と美津は第2回以来の再会となる。そういえば、スリにあった美津を直美が助けたのだった。

 直美「でれすけ」
 美津「その節はお世話になりました」

 母子ともども直美に世話になっていたことがわかる。世間は狭い。

 美津は、家に直美とトメを招こうと言い出す。なぜかトメは遠慮して、ひとり東京見物に出かける。最初の休みの日も結果的にひとりになれると言っていたが、強がりではなく、実はひとりが気楽なのだろうか。トメは7人のなかで最も素朴に見えて、最も奥が深いのかもしれない。ぐんぐん気になるキャラに成長している。

 彼女が単独行動に出たことによって、玉田の謎の行動が発見される。髪結い屋から日本髪に戻した玉田らしき人物が出てきたのをトメは見かけるのだ。トメは何かと敏感な設定のようだ。

 直美はりんの家で美津と話し、父・信右衛門(北村一輝)がコロリで亡くなった悲しい話を聞く。

「私たちは村に入ることを許されず、りんがたった1人で夫を看病して」と、この話をするときの美津は苦渋の表情だ。

 りんも大変だったが美津も心残りであるだろう。明るくふるまっているが、最愛の夫の死に目に会えなかったことをずっと引きずっていると思う。そして、りんの看護への意欲は、父の死によって並々ならぬものになっていることを、直美が知ることになるのだ。

 親を知らない直美にとってはりんの家族の絆は未知の感情であろう。たぶん、美津とのやりとりも嫌いじゃなさそうだ。

 りんはシマケン(佐野晶哉)に「やりたいことが仕事になる人なんてほんのわずかだ。僕らの親は身分も職業も決まっていたわけだし」と言われる。そういう意味ではりんたちは身分や職業が定められていなくて選択肢がある分、幸せなのだ。

 時間は急速に流れている。環(英茉)や安(早坂美海)は「かか」や「母上」ではなく「お母さん」「お母様」と呼び方が変わり、りんはその急成長ぶりにショックを受ける。呼び名もたやすく変わるし、身分や職業や、髪型だって変わっていく。りんはその激流のなかを泳いでいるところだ。

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