『風、薫る』第27回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて12年目の著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第27回(2026年5月5日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
「これのどこが看護なんですか?」
油で固めて1カ月ほど洗髪しない日本髪は不潔、という衝撃の事実により、りん(見上愛)たちは髪型を変えた。
ふわっと空気が入ったようなスタイルにしたり、編み込みにしたり、前髪ぱっつんにしたり、当時としては斬新な洋髪に。りんは前髪パッツン、オンザ眉毛になった。見上愛の鏡を見た複雑な表情が雄弁だった。
変わらないのは直美(上坂樹里)だけ。とくに褒められてはいなかったのは、ザンバラ髪でも1カ月洗髪してないってことなんだろうか。いまの感覚でいったら近づきたくない感じである。
明治の女性の髪型に関しては、ドラマの原案『明治のナイチンゲール 大関和物語』(田中ひかる著)に詳しい。直美のモチーフである鈴木雅は凛々しい断髪で、りんのモチーフである大関とほかの生徒たちの大部分は、制服の洋服に合わせて束髪にしていたと原案にはある。原案では、髪型の選択ひとつとっても男性と女性には差があることがわかる記述になっている。
それをドラマでは「不潔」という題材として1エピソードにしたことは興味深い。
カランコロンと鐘が鳴る。
髪型が変わったら、今度は自分が着用するエプロンのお裁縫。
でも、シーツに髪型、裁縫と、掃除。
「これのどこが看護なんですか?」と玉田(生田絵梨花)は流暢(りゅうちょう)な英語で不満を述べる。
「私がやらせていることは全て看護です」「看護婦は医者ではありません。治療はしません」
バーンズ先生(エマ・ハワード)は毅然と語る。
このような教師の思惑を未熟な生徒が理解しないエピソードは学園ものやお仕事ものの定番である。
外ではギャーギャーと鳥が鳴いている。第26回でも鳴いていた。天の使いのイメージなのだろうか。







