NTTなど4社が初ランクイン
ブランド価値が伸びた共通点は?
総合ランキングトップ5は、トヨタ自動車、ホンダ(本田技研工業)、ソニー、ユニクロ、任天堂で、自動車メーカーが上位を占めた。トヨタは18年連続の1位を獲得した。また、ソフトバンクが+36%増で最高成長率となり、NTT、三菱重工、セガ、スクウェア・エニックスの4ブランドが初ランクインした。
ブランド成長を分けた最大のポイントは、パーパスを単なる理念やスローガンで終わらせず、実際の経営や事業の変革に落とし込めたかどうかにある。具体的には、パーパスを価値創造ストーリーや経営計画に組み込み、「宣言(Say)」だけでなく「事業変革(Act)」段階まで進め、財務成果に結び付けられたブランドが二極化における勝者となった。
たとえば、アシックス(35位、+32%)、日立製作所(20位、+27%)、味の素(24位、+23%)は、事業ビジョンの明確化と組織横断的な実行力を兼ね備えており、高い成長を実現した。一方で、理念だけを掲げて実行に移せなかったブランドは、変化の激しい環境の中で戦略的羅針盤を失い、マイナス成長に陥った。
任天堂(5位、+35%)、コナミ(55位、+30%)、バンダイナムコ(34位、+21%)、セガ(98位、初ランクイン)、スクウェア・エニックス(99位、初ランクイン)など、エンターテインメント企業は特に大きな成長を見せた。
背景には、NetflixやInstagramのようなグローバル企業がアルゴリズムによる大量拡散を進める一方、日本ブランドが「深く濃いコミュニティ」を育てる戦略を強めていることがある。
エンタメ業界では、単にコンテンツを提供するだけでなく、ファンと共感・共創しながらコミュニティの場を広げている点が特徴だ。カテゴリーの枠を超えて価値が連鎖し、ゲームが「PLAY(ストレス解放・自分らしさ追求)」から「CONNECT(人・モノとのつながり)」へ、さらに映画が「LEARN(知見拡大)」から「THRIVE(より良く生きる)」へと発展させている。こうした取り組みを実現できたブランドが競争力を高めている。
成長ブランドはデジタル技術やAIを積極活用しているが、その使い方に大きな違いが見られる。グローバルブランドは、AIを効率化やスケール最大化、ビジネスモデル変革、顧客体験の刷新に活用する傾向が強い。一方、日本ブランドは、顧客とブランド、顧客同士の関係を深めるためにAIを活用している点が特徴だ。
たとえば、ZOZOTOWN(61位、+26%)、ユニクロ(4位、+20%)、マツモトキヨシ(63位、+20%)などは、短期的な効率よりも長期的な関係価値(LTV=Life Time Value:生涯価値)を優先している。この関係性深化=「絆のスケーラビリティー」への転換こそ、日本ブランドがグローバル市場で独自性を発揮するための重要な戦略となっている。









