「人が離れていってしまう」ことには理由がある。
「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。本記事では、その中から親が教えておくべきおやくそくを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「人が離れること」を防ぐ一言
「人が離れていく人って、悪いことをした人じゃないんですよ」
こんな話を、30年間小学校の先生をしている知人から聞いた。
その人によると、友達から信頼される子と、少しずつ人が離れていく子には、大きな違いがあるという。
ある日、教室の後ろに飾ってあった工作が壊れていた。休み時間に誰かがぶつかったらしい。
「壊した人がいたら教えてね」と言ったが、誰も手を挙げない。
すると教室の空気が少しずつ重くなった。
「○○くんじゃない?」「昨日あそこにいたよね」と犯人探しが始まる。
最終的に、本当は関係のない子まで疑われるようになった。
ところが、その日の放課後。
一人の男の子が職員室にやってきた。
そして小さな声で言った。「先生、実は僕がやりました」
話を聞くと、わざとではなかった。友達とふざけていて、ぶつかってしまったのだという。
そのとき、その先生は叱らなかったそうだ。
むしろ、「教えてくれてありがとう」と伝えたそうだ。
翌日、その子はみんなの前でも謝った。
すると意外なことが起きた。誰もその子を責めなかったのだ。
それどころか、「そうだったんだ」「別に大丈夫だよ」と話はすぐに終わった。
先生はこう言っていた。
「人は失敗した人から離れるんじゃない。失敗を隠し続ける人から離れるんです」
誰だって失敗する。誰だって間違える。
本当に大切なのは、失敗しないことではない。
自分にとって不都合なことでも、勇気を出して認められることだ。
「実は僕がやりました」
その一言は、叱られる覚悟を決める言葉でもある。
だが同時に、相手との信頼を取り戻し、助けを求めるための言葉でもある。
人との関係は、完璧な人のまわりに生まれるわけではない。
間違えたときに正直でいられる人のまわりにこそ、安心して付き合える人が集まってくるのである。
困ったことを自分の力で解決しよう
だからこそ、子どものうちから「困ったことをどうすれば解決できるかを考える」練習をすることが大切だ。
小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「こまっていることをそうだんしてみよう」という項目がある。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
① こまっていることを おもいだしてみよう。
② じぶんで かいけつできることと できないことに わけよう。
③ じぶんで かいけつできることは ほうほうを かんがえよう。
④ ひとりで かいけつするのが むずかしければ おうちの ひとに はなしてみよう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)
人は、何でも一人でできる人のまわりに集まるわけではない。
失敗したときに「ごめんなさい」と言える人。
困ったときに「助けてください」と言える人。
そんな正直さを持つ人のまわりにこそ、少しずつ信頼が積み重なっていく。
人とのつながりは、「弱さを見せないこと」で生まれるのではない。
勇気を出して弱さを打ち明けたときにこそ、生まれるものなのである。









