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タクシーに乗った際に、運転手に話しかけられて「嫌だな」「静かに過ごしたい」と感じたことがある人は多いだろう。かと言って、タクシー業界では無口な人ばかりが乗客に支持されて高収入を得ているわけではない。複雑なタクシーの世界で「稼げる人」「稼げない人」を分けるものは何なのか。現役タクシードライバーが徹底解説する。(現役タクシードライバー/物流ライター 二階堂運人)
タクシー運転手は
「おしゃべり」と「無口」どっちが人気?
「おしゃべりなタクシードライバーと無口なタクシードライバー、どちらが稼げますか?」。多くの人から聞かれる定番の質問だ。
だが正直なところ、その答えは状況によって異なる。ドライバーが良かれと思って話しかけても、乗客に「うるさい」と言われる時がある。かといって一言も発しないのも、人によっては冷たく映る。
正解が一つではない中で、乗客に満足してもらえるかどうかは、ドライバーが「空気を読めるかどうか」にかかっている。
お客が乗ってきたときに一言挨拶して、あとはその場の雰囲気に委ねる。相手が話しかけてきたら丁寧に応じる。静かな空間を求めているようなら、黙ってタクシーを走らせる。それだけのことなのだが、案外これができないドライバーは多い。
特に、長年にわたって「流し」の経験しかないベテランには、この切り替えが難しいケースがある。こうした世代は、お客と長話をしながら走るのが「サービス」だと信じて疑わない。
一方、今の客層は、無言で走行しても配車アプリのドライバー評価に「五つ星」をつけることがある。そんな乗客とベテラン勢の間に、静かなすれ違いが生まれている。
ただし、全てのベテランドライバーが空気を読めないわけではない。「接客」をテーマに同業者を取材したところ、印象に残ったドライバーがいた。
60代でタクシー歴30年。話しかけてくる客には饒舌だが、黙っている客には徹底して無言を貫く。その理由を聞くと「お客さんが決めることだから」と一言。こうした「仕事ができるドライバー」の沈黙は、愛想の無さによるものではない。相手への配慮の結果なのである。







