テキストで送ったつもりの冷静な指摘が、なぜか部下の反発を招いてしまう――そんな経験を繰り返している人は多いだろう。その原因は、文章そのものではなく、テキストというコミュニケーション手段の性質にあるという。

「チャットでいいでしょ」と思っている人は仕事ができない。できる人はどうする?

テキストでは「感情」が伝わりにくい

チャットやメールでのやり取りには、便利さがある一方で、
「感情」が伝わりにくいという致命的な欠点がある。
上司が冷静に「ここの論理が矛盾しているから直して」と送ったつもりでも、
受け取った部下の脳内では、「お前は全然ダメだ、やり直せ」という、
怒声に近いニュアンスに変換されてしまうことも少なくない。

こうした受け取り方の違いが起きると、部下は防衛的な姿勢になり、
「いえ、それは以前の指示で」といった感情的な反論を返してしまう。
そこから、不毛なテキストの応酬、いわゆる「ラリー」が始まってしまうことになる。

仕事ができる上司が持っている「3往復ルール」

テキストコミュニケーションには、「感情」が伝わりにくいという致命的な欠点があります。
あなたが冷静に「ここの論理が矛盾しているから直して」と送ったつもりでも、受け取った部下の脳内では「お前は全然ダメだ! やり直せ!」という、怒声に近いニュアンスで変換されてしまうことも多々あるのです。
その結果、部下は防衛的になり、「いえ、それは以前の指示で……」と感情的な反論を書き始め、不毛なテキストの応酬(ラリー)が始まってしまいます。
仕事ができる上司は、この泥沼を避けるために明確な撤退ラインを持っています。それが「3往復ルール」です。
チャットでやり取りをしていて、3往復しても結論が出ない、あるいは相手の認識がズレていると感じたら、その瞬間にキーボードを打つのをやめてください。そして、「電話(またはWEB会議)」に切り替えるのです。

こうした泥沼を避けるために、仕事ができる上司は、明確な撤退ラインを持っているという。
それが「3往復ルール」だ。
チャットでのやり取りが3往復しても結論が出ない、
あるいは相手との認識がズレていると感じた瞬間に、キーボードを打つ手を止め、
電話やWEB会議といった、声を伝えられる手段に切り替えるというルールだ。

声のトーンや話すスピード、間の取り方といった要素は、
テキストでは伝えられない情報を多く含んでいる。
直接話すことで、「怒っているわけではない」という前提が伝わりやすくなり、
部下も防衛的にならずに、内容そのものに集中して向き合いやすくなる。

「切り替えるタイミング」を、あらかじめ決めておく

テキストでのやり取りが長引いているとき、
「もう少し説明すれば伝わるはずだ」と感じて、つい続けてしまうことは多い。
しかし、3往復という具体的な基準を先に決めておくことで、
感情的な悪化を防ぎ、早い段階で手段を切り替える判断ができるようになる。

重要なのは、テキストでのやり取りそのものを否定することではなく、
「これ以上続けても解決しない」と判断できるラインを、あらかじめ自分の中に持っておくことだ。
泥沼化する前に切り替えるという意識が、上司と部下、双方の負担を減らすことにつながっていく。

次にチャットでのやり取りが3往復を超えそうになったとき、文章を続ける前に電話に切り替えることだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)