生活習慣を変えれば、心臓病や脳卒中、2型糖尿病の多くは防げる。がんも種類によってはリスクを最大40%下げられるという。では、実際には何から始めればいいのか。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオンは、7か月で約30キロの減量に成功した女性の実例を『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』で紹介している。以下、特別に内容の一部を公開する。

【ダイエット】医師が指示した「意外な食べ物」ベスト1Photo: Adobe Stock

「行動」を変えると身体は変わる

 レイラ(46歳)は長年さまざまなダイエットに挑戦してきたが、ギブアップ寸前だった。私が治療を始めたとき体重は140キロ、関節リウマチを患っていた。免疫力維持のための薬のせいで体重が増え、疲れ果てていた。

 そんな苦しみを抱えているのはレイラだけではない。肥満大国アメリカでは、10人中7人以上が太りすぎで、4人が生命の危険にさらされている。

 疾病予防管理センター(CDC)は、食事、運動、喫煙、睡眠などの生活習慣を改善すれば、心臓病、脳卒中、2型糖尿病の大部分を解決できると推定している。がんでさえ、種類にもよるが、リスクを最大40%も下げることができる。

 健康的な食生活と運動が大切なことは、だれでも知っている。

 では、なぜ実行できないのか?

 アメリカ人の75%は、保健機関が推奨する毎週150分の中強度の運動(または75分の高強度の運動)をしていない。米国スポーツ医学会(ACSM)が推奨する週2日以上の全身筋力トレーニングなど、いわずもがなだ。

朝晩必ず食べるように指示したものとは?

 健康維持を難しくしている要因には、心理的、生理的、社会的要因など多くのものがある。宗教も含まれるかもしれない。不健康な生活を続けていて危機的状態にありながら、その気になればいつでも健康になれるという根拠のない自信を持っている人が少なくない。

 寝る前にテレビを見ながらビールを飲み、ポテトチップスをかじったり、ワインを飲みながらスイーツをぱくつくような生活をしている人は、お願いだから、ぜひ先を読んでほしい。

 私はレイラに、とにかく体重を減らさなくてはならないと告げ、体を動かすよう指導した

 彼女は昼休みにウォーキングを始めた。それとは別に、10分間のウォーキングを毎日3回行った。筋肉量は落とさず脂肪だけ減らすために、筋力トレーニングにも取り組んだ。

 次は食事だ。

 1日の最初と最後の食事で必ずタンパク質を摂らせ、間食を完全にやめさせた。

 すると7か月で体重が30キロ近く減った。

 目覚ましい改善だが、それだけではない。彼女がいちばん喜んだのは健康になったことだ。

 関節痛が軽減し、薬を減らすことができた。空腹時インスリン、血糖値、中性脂肪、冠動脈疾患のリスクを測る高感度CRP(動脈硬化に関連する微小な炎症を捉えるマーカー)などが、軒並み改善したのである。

 いちばん勇気づけられたのは、彼女の身体が強くなりたいという願いを訴え始めたことだ。

 レイラは空腹を感じなくなり、ますます意欲が増した。こんなに簡単に気分がよくなることが信じられなかった。

ガブリエル・ライオン(Dr. Gabrielle Lyon)
医師(DO)
イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。