元気がない部下を見て「飲みに行こうか」と声をかける。「最近どうだ?」とメンタルケアをしようとする――その気遣いは本物だ。しかし著者は、それが部下の「漠然とした不安」の解決策にはなっていないと言う。SNSでビジネススキルについて情報発信を行い、総フォロワー数が37万人を超える「にっしー社長」こと西原亮氏の著書、『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに、誰でも「しごでき」になれる令和の仕事の基本を解説する。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

部下の「漠然とした不安」の正体は、迷子状態だ
部下が元気をなくすとき、原因として真っ先に思い浮かぶのは、
人間関係のトラブルや、待遇への不満、プライベートの悩みだ。
だから上司は「話を聞こう」「励まそう」と動く。
しかしその対応が、的外れになっているケースが多い。
著者が指摘するのは、伸び悩む部下が抱える不安の本質だ。
多くの場合、その漠然とした不安の根っこにあるのは「自分の現在地と目的地がわからないこと」だ。
どこにいるのか、どこを目指せばいいのか、何をすればいいのか――
その地図がないまま走らされている「迷子状態」が、不安を生んでいる。
必要なのは慰めではなく「成長の地図」だ
しかし、伸び悩む部下が抱える「漠然とした不安」は、人間関係や待遇への不満ではなく、「自分の現在地と目的地がわからないこと」による迷子状態からくるものがほとんどです。
必要なのは、慰めや励ましではありません。「あなたは今ここにいて、次はあそこを目指してほしい。そのために、まずはこの一歩を踏み出そう」という、「期待」と「階段」をセットにしたクリアな成長の地図を示すことなのです。
著者が示す処方箋は、明快だ。
「あなたは今ここにいて、次はあそこを目指してほしい。そのために、まずこの一歩を踏み出そう」
この一言に、必要な要素がすべて入っている。
現在地・目的地・次の一歩――この3点がそろって初めて、部下は動き出せる。
「期待」と「階段」をセットにすることが重要だ。
期待だけ伝えると、ハードルが高くて動けない。
階段だけ示すと、どこを目指しているのかわからない。
この2つがセットになってはじめて、部下にとって「動ける地図」になる。
「飲みに誘う」より「地図を渡す」方が、部下は救われる
飲み会や雑談でのメンタルケアを否定しているわけではない。
しかし、それは一時的な気晴らしにはなっても、迷子状態を解消する根本的な対処にはならない。
部下が元気をなくしているとき、上司がすべきことは、
話を聞くより先に「この部下は今、自分の現在地と目的地が見えているか」を確認することだ。
見えていないなら、それを示すことが、最も効果的なケアになる。
元気がない部下がいるなら、飲みに誘う前に「あなたの今の現在地と次の目標を一緒に確認しよう」と声をかけることだけでいい。
(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)














